物価の上昇から資産をどう守る?

2023.4.24

最近、食品や電気料金など生活に身近なモノやサービスの値上げが増えています。物価が上がると、現金や利息のほとんど付かない預貯金の価値は実質的に目減りしてしまいます。これが物価上昇時の預貯金リスクです。

今回のコラムでは、物価の上昇からどのように資産を守るべきか考えます。

物価が上がると、お金の価値は下がる

まず、物価とお金の関係について簡単に説明します。1本100円(500ml)のペットボトル飲料を例にします。あるタイミングで値上げをして、1本100円から110円になりました。

お金の側からみれば、これまで100円で買えたものが買えなくなり、100円の価値が下がったと考えることができます。

実際の身近な商品で価格の変化を見ていきましょう。総務省の小売物価統計調査年報によると、小麦粉(1袋1キログラム)の価格は2021年時点で271円(東京都区部)です。10年前から22%値上がりしています。

値上げをしていなくても、買える量が少なくなったということも多いです。

500円で買える量の変化を調べてみると、さけは2011年は215グラム買えたのが、2021年には137グラムに減っています。喫茶店では、コーヒー1杯飲むのに500円では足りなくなっています。

500円で買える量は10年間でどう変わった?

(出典)総務省の「小売物価統計調査年報」(2011年、2021年)の東京都区部の年平均価格からウェルスナビ社が算出

預貯金は物価上昇に弱く、資産運用で対策する

物価が10年間、毎年2%上昇し続けた場合、いま100万円の車は10年後に約122万円になります。現金や利息のほとんど付かない預貯金で100万円を持ち続けても、10年後にその車を買うことができません。現金や預貯金が物価上昇には弱いことが分かります。

毎年2%物価が10年間上がったら、価格に大きな差が生まれる

毎年2%物価が10年間上がったら、価格に大きな差が生まれる

物価が上昇するときには、現金よりモノを資産として持つことが対策になります。一般的に株式や不動産、金などが物価上昇に強いと言われています。

特に株式では、短期で「インフレ=株高」となるわけではありませんが、企業は値上げによって、売上高や利益の増加が期待でき、株価にプラスに働きます。過去のデータを見ると物価上昇率を上回るリターンを得られたことが分かっています。

物価上昇に強い資産と弱い資産がある

物価上昇に強い資産と弱い資産がある

資産を分散して備える

ただ、物価上昇に備えるため、個別の株式や不動産だけ持つと別のリスクが生じるので注意が必要です。個別株は価格変動が大きく、不動産は売りたいと思ったときにすぐに売れないなどのリスクがあります。

長期の資産運用では、様々なリスクを考えておくことが重要です。

たいこうNaviでは、世界約50カ国・約1万2,000銘柄に分散することで、様々なリスクを抑えながら資産を大きく育てることを狙っています。世界全体に投資すれば、円安が進んだ際の対策にもなります。

これまでみてきたように、資産の大部分を現金や預貯金のままにし続けることにもリスクは存在します。すぐに使う予定のない余裕資金を資産運用に回して、豊かな将来に備えていきましょう。

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