2024.04.22
たいこうNaviは厳選したETF(上場投資信託)を通じ、世界の約50カ国・1万2,000銘柄に分散投資をしています。一方で、売れ筋の投資信託を見ると米国株に集中投資するものが人気になっており、「米国株だけに投資すれば良いのではないか」というご意見をお客様からいただくこともあります。今回のコラムでは、たいこうNaviが米国株だけに集中投資しない理由について、ご説明します。
たいこうNaviが組み入れている資産クラスを対象に、2010〜2021年までの年間リターンを下の図で見てみましょう。このなかで米国株に注目してみると、リターンの良かった年が多かったことが分かります。
米国株に集中投資した方が良いリターンが得られるのではないかと考えるかもしれません。
では、2010年以前も同じ結果だったのでしょうか?下の図を見ると、状況は少し異なります。2000年からの3年間は、 ITバブル崩壊などの影響で米国株は3年連続でマイナスのリターンでした。
2000年以降のデータから分かるのは、毎年のようにリターンの順位が大きく入れ替わっているということです。米国株だけに限った話ではなく、1つの資産に集中投資して長期で常に良いリターンを得ることができるわけではありません。
最近の高いリターンだけに着目し、今後も好調だろうと予想して1つの資産に集中投資していると、予想が外れて、大きな損失を抱えるリスクもあります。
米国株は2008年に起きたリーマン・ショックの影響を受け、2008年のリターンが37%のマイナスになりました。気づかないうちに高いリスクを取り、相場が大きく下がっていると怖くなって資産運用を止めてしまい、望んだリターンを得ず(損を抱えて)に終わることもあります。
長期の資産運用を続けていくなかで、大きな相場変動は高い確率で起きます。こうしたときのために、狙ったリターンが得られることばかり考えるのではなく、相場が下がった時も考えて運用することが大事です。
資産を分散しておくと、集中投資するよりもリスクを抑えることができます。ある資産の価格が下がっていても、別の資産の価格が上がることがあります。
例えば、下の図のように2000年からの3年間は、 ITバブル崩壊などの影響を受け、米国株は3年連続でマイナスのリターンだった一方、米国債券や物価連動債はプラスのリターンでした。2008年はリーマン・ショックの影響で米国株が大きく下がりましたが、米国債券や金のリターンはプラスでした。
ただ、相場の大きな下落を伴うショックが起きたときにそれぞれの資産が毎回同じように動くかは分からないため、たいこうNaviのように幅広く分散することが重要です。また、ショックが起きてから対応するのでは遅いので、平常時から常に分散しておくことになります。
分散投資は投資のプロが集まる世界最大級のファンド、ノルウェー政府年金基金も実践しています。株式と債券、不動産を組み合わせて運用しており、世界に幅広く投資しています。
ノルウェー政府年金基金は、相場が良いときも悪いときも、あらかじめ決めた方針に従い淡々と資産運用を続けています。リーマン・ショックなどによって、単年度ではリターンがマイナスになることもあります。それでも1998年から2021年までの年間リターンは6.6%のプラスとなっています。
たいこうNaviも同じように株式や債券、金や不動産といった幅広い資産に分散投資しています。集中投資でひとつの資産クラスに賭けるのではなく、幅広い分散投資でリスクを抑えながら、長い目で資産を育てていきましょう。
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